予防が一番
フリがあるからオチがきく
身体には様々な刺激が入ってきますが、刺激が入ってきた時の自分の状態によって体の反応は全く違います。
全くの白紙で刺激を受けるのと、「前負荷」がかかった状態で刺激を受けるのでは同じ刺激を受けたとしても全く違った感覚や反応をします。
私はお笑いが好きなのですが、漫才のオチだけ聞いても面白くはないのです。キャクターや雰囲気、前振りがあるからオチがすごく面白いのです。
恋人が自分の誕生日や記念日に何もしてくれなかったら少しイラっとしますよね。これは何かしてくれるだろうという期待という「前負荷」がかかっているからであり、これが何も思っていない人だったら何もしてくれなくても当たり前なので同じ何もしていないということでも何も感じることはありません。
痛みは絶対的指標ではない
さて、痛みというのも同じです。
痛みを発生させる刺激を侵害刺激と言いますが、同じ侵害刺激が入ってきたとしても人それぞれ痛みの感じ方は違います。
組織が損傷して炎症が起こると炎症を促進させる化学物質が放出されます。
この化学物質が神経を過敏(感作)にします。つまり神経に対して「前負荷」をかけるわけです。
そうすると普段痛いと感じるような動きでないものに対して痛みを感じるようになります。
このような働きは急性痛では体を守るために必要ですが、慢性痛では不必要なものです。
慢性痛では組織の損傷に対して、本人が感じている痛みというものが比例しません。
私達は身体をあるがままに感じていると思っていますが、実は認知する前にその情報が排除されたり、大げさにされたりしているのです。
前負荷をいかに取り除くか
同じパフォーマンスを発揮するためには、「前負荷」の影響を最小限にするためにルーティーン化したりして、できるだけ同じ状況を作り出すのです。
怪我や微細な損傷などは突然大きな力が加わるか、「前負荷」がかかっているところにひと押しされるかどちらかです。
日常生活の中で急に痛くなったりするのは圧倒的に後者になります。
つまり、「前負荷」をいかに取り除くことができるかということが大切になってくるのです。
サブラクセーションや脳の機能低下、内臓系の機能低下や栄養素の偏りによる慢性的炎症状態、思考の偏りは「前負荷」をかけている状態です。
このような状態では少しの刺激に対して悪い反応を起こすことになります。
英語のことわざで
“It is the last straw that breaks the camel’s back.”
「最後の藁一本が駱駝(ラクダ)の背を折る」
というのがあります。
ラクダに藁を載せ続けていくと最終的には藁一本分の重さでさえも背骨を折ってしまうのです。このラクダにも相当な「前負荷」がかかっていることでしょう。
起こった出来事や刺激だけでなく、その時の状態が結果を変えるのです。
ですので、普段からこの「前負荷状態」を作らないことが健康にとって大切ということです。
予防が一番大切ということです。