カイロプラクティック めまい

メニエール病

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メニエール病とは耳鳴り、難聴、めまいを主症状とするもので、その中でも「内リンパ水腫」という状態になっているものをメニエール病と言います。

上記の症状を呈するものでも、原因のはっきりしないものはメニエール症候群といい患者さんの中にもこの二つを混同している方がよくいらっしゃいます。

日本では7万から10万人いると言われ、特に30歳代後半から40歳代前半の女性に多く見られます。

内リンパ水腫によって上記の症状は出ますが内リンパ水腫がなぜ発生するのかは未だよくわかっていません。

メニエール病の患者さんには精神的・身体的ストレスが多くかかっている場合や睡眠不足、運動不足などが見られそれらを改善するとメニエール病自体も改善します。

「内リンパ水腫」とは内耳の膜迷路(蝸牛管)と言われる部分にある内リンパ液(下の図のグレーで示したところ)の増加による内圧の上昇です。

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 図1 内耳 [参照:プロメテウス解剖学アトラス]

膜迷路の外側には骨迷路と言われる空間がありここを外リンパ液(薄いピンク色の部分)が満たしています。内リンパ水腫により膜迷路が膨張すると骨迷路との境目にあるライスネル膜が破れ外リンパ液と内リンパ液が混ざります。

外リンパ液と内リンパ液では組成が違いますので、神経細胞が異常を起こし、耳鳴りや難聴が起こります。また外リンパ液の流入により圧力も変わってしまうため、半規管にも影響が及びめまいが生じます。

内リンパ液は通常膜迷路の壁にある血管条と言われる部分から産生され、前庭水管を通って内リンパ嚢から吸収されます。

内リンパ液が増加するということは血管条からの産生過多か、内リンパ嚢の吸収不全となります。

カイロプラクティックの目線から見ていくと、内リンパ嚢は頭蓋骨の側頭骨岩様部の硬膜下にあるために硬膜の緊張によって機能障害になりうると考えられます。そのため、側頭骨自体の調整もさることながら、その他の頭蓋骨、上部頸椎、仙骨、尾骨の調整も必要です。

骨・膜迷路への血液供給はすべて迷路動脈から受けており、迷路動脈は前下小脳動脈の枝で、前下小脳動脈は椎骨動脈からの枝です。これらの血管の循環不良も要因の一つとして考えられます。

最近の研究では、メニエール患者ではパゾプレッシンという抗利尿ホルモンの値が上がっていおり、マウスにバゾプレッシンを投与すると血管条局所の組織・酸素分圧が低下すること、また蝸牛内リンパ電位が低下することがわかっています。

バゾプレッシンは脱水や血漿浸透圧の上昇、血液量の減少で分泌が促進されます。

ですので水分の補給によってかなり改善がみられます。

ちなみにバゾプレッシンはメニエールだけでなく乗り物酔いでも高くなります。

また、めまい発作時の血糖値を測定したら、通常時よりも6割程度上昇しており、糖尿病患者では血管条の血管壁が肥厚したり、萎縮したりしていたということが観察されています。

つまり、血糖値の異常がめまいと関連があるということで血糖値のコントロールも有効です。

ストレスと深い関連のある副腎疲労症候群では血糖値のコントロールが難しくなるため、これに関係の深い副腎、膵臓、下垂体へのアプローチは有効なものと考えられます。

少しずつ分かり始めていますが、まだまだメニエールはわからないことがたくさんあります。

さらに研究が進むことを期待しています。

 

 

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